かつて、世界最高峰の広告フィルムの祭典として名を馳せた「カンヌ広告祭」が、マーケティング・コミュニケーション業界における”広義のクリエイティビティ”を賞賛する祭典「カンヌ・ライオンズ」(”Cannes Lions International Festival of Creativity”)として生まれ変わって、今年で丸4年が経ちました。

近年では、各部門の「賞レース」に加え、世界の名だたるマーケッターが最先端の問題意識を共有する「セミナー」も大幅に充実度を増しており、世界の広告代理店を代表するクリエイティブディレクターだけでなく、P&G / Coca-Colaといったグローバル・マーケティング・カンパニーのCMO、Google / Facebook / Twitterといった新世代メディアのトップ層が登壇して同業者たちに向けて最先端の問題意識を共有し、議論が展開される場となっています。カンヌ・ライオンズにやって来る世界のマーケティング/ブランディングのプロ達の感心事は、「ビジネス課題のクリエイティブな解決法」であり、つまりは「現代の”経営”に必要なクリエイティビティ」そのものであると言えます。

生活者の情報リテラシーの進化と共に高まるクリエイティビティの重要性

生活者の情報取得環境が進化し続ける現代では、従来型の手法ではターゲットへのリーチは難しくなってきています。また、マーケティングやブランディングの手法を訝しがる傾向も高まる中、「エンゲージメント(生活者との絆づくり)」の難易度も上がっています。Coca-Colaでストラテジック・マーケティングのグローバル責任者を務めるWendy Clark氏が語ったところによると、いまや同社のブランドにまつわるオンライン上のコンテンツ(=Twitter等での同社に関するつぶやきなど)の85%が生活者によって生み出されており、もはや企業側の意思のみでブランドを牽引していくことはできなくなっている、とのことです。

2014年のカンヌ・ライオンズの期間を通じて多くのマーケッター/ブランディング従事者から語られたのは、この難しい時代に成果を上げるうえでの「クリエイティビティ」の重要性です。実際に今年のカンヌで多くの賞を受賞した「Volvo Trucks」や「Harvey Nichols」などの事例は、マーケティングの手法や多様化するツール、終わりなき効率化を求めるデータ・ドリブン・アプローチに振り回されることなく、人間の本質を捉えたシンプルな「アイディア」に忠実に、ブランドとして本気の”投資”を行うことで、予算の大小に比例しない爆発的な成果を上げ得ることを証明しています。

さらに言えば、アイディアの可能性を評価し、ブランドとして思い切った投資を決断できる「クリエイティビティ(あるいは”クリエイティブ・リテラシー”)」が、現代の経営層に求められる素質のひとつであることをも、示唆しています。

カンヌ・ライオンズ2014に見る、ブランディング/マーケティングのこれから

9月のセミナーでは、今年のカンヌで受賞した様々な事例の分析と、セミナー/フォーラムで語られた先鋭的な問題意識の読み解きを通じて、ブランディング/マーケティングのこれからを示唆するいくつかの潮流(シフト)についてお話しさせていただきます。

また、博報堂コンサルティング Creative Department 4D(※)が考える、今の時代に相応しいブランディング/マーケティング進化のためのアプローチについても、併せてご紹介させていただく所存です。

2014年の世界の中で、我々はブランディング/マーケティングにどのように取り組むべきなのか? 日々の業務に追われる中で、この「そもそも」の問いに向き合うことは意外に難しいことなのかもしれません。本セミナーでは、世界最先端の問題意識や取り組みを読み解きながら、普段なかなか得ることができない、「いま、この時代に、ブランディング/マーケティングに従事する我々がなすべきこと」について、皆さまと議論をする機会をいただければと思っております。

※博報堂コンサルティングにおける、戦略構築から実行支援までを垂直統合型でコンサルテーションする専門チーム